UNDERTALE&DELTARUNE考察メモ はじめに
このブログについて
- このブログはツイッターなどで呟いたUNDERTALEとDELTARUNE、2作品に関する考察やおぼえがきをまとめるブログです。
- 根拠の薄い仮説や、想像の強い部分、筆者の価値観の強く出てしまっている記事を制作する場合があります。
- 他の方の考察をもとに更に考察を膨らませた記事もあります。
- 一部スポイラー情報(スプライト名など)を引き合いに出す場合があります。
- 特にDELTARUNEについて、今後の展開で無かったことになる考察もあるかと思います。chapter2以降の発表後、閲覧する際は投稿日時もご参照ください。
【UNDERTALE考察_Sans編その2】審判におけるSansの役割
Sansにとっての審判
Sansの審判はUNDERTALEの世界でも特徴的で、なおかつ謎の多いイベントです。
Asgoreの王座へ向かう「さいごのかいろう」で、プレイヤーはSansと相対し、地下世界のモンスターたちの殺害によって得てきたEXPを元に、Sansによる行いへの評価(と、Playerがあまりにも殺しすぎてきた場合は制裁)を受ける事になります。
本人の発言から、Sansがこの審判を行う理由はGエンドラストシーンの世界の破壊を防ぐものであると告げられますが、Gルートに至るにはほんの少し足りない程度の大量虐殺を行っていたとしても、Sansはプレイヤーを積極的には攻撃してこようとせず、弟を殺した場合も、罵りさえすれどあくまで不殺を貫きます。
いせきエリアで誰も殺さないように抜けた場合にFloweyが言うように、「もし目の前に冷酷な殺人鬼が現れたらどうしようもなく、されるがままになるだけ」という言を体現しているかのようです。
Sansがニンゲンを可能な限り殺さないことについては、単純に扉の向こうの夫人との約束があった為にニンゲンに手を出せなかった、という意見を多く見ますが、例え仲の良くなった夫人との約束とはいえ、弟が殺されても約束を守り続ける事は並大抵の意志では難しいでしょうし、Sansには何かそれ以外の目的が存在していて、その目的の為にGルート以外ではニンゲンを殺すことが出来なかった、それこそがSansの「審判」という役割であり、極めて優先順位の高いものであったのではないかと感じさせます。
審判で行われていることについて
彼との戦闘中に語られる通り、Gルートの最後には世界そのものが崩壊する事が示唆されます。その原因は、他者を殺害する事によって得てきたEXPが一定の基準以上に達した存在が、複数のニンゲンのソウルと接触する事です。(尚、セーブデータの改造によってSans戦を回避しても世界を破壊できる事から、LOVE20は必要条件ではないのでしょう)
それを防ぐための手段として、審判の間を通過する存在のEXPを測定し、場合によっては始末する…という役割をSansが引き受けている訳です。
審判は誰のためのものなのか?
作中ではplayerの操作するニンゲンをSansは審判しましたが、いつ来るかもわからないニンゲンの為だけにこのシステムが用意されているというのにはやや疑問が残ります。
というのは、そもそも対ニンゲンにはロイヤルガードという王家直属の兵士たちがいるために、ニンゲンが勝ち残って審判の間までやってくる事は想定されていないのが自然であると推測できるからです。審判を受ける受けない以前に、地底の国にとってはニンゲンは殺すべき存在なので、そんなニンゲンの為だけに審判という役割を地底の国が用意しておくというのはやや考えにくい事です。
しかしながら、審判を地底の国の住民が罪(殺人)を犯した際に機能するものであるかと考えると、それにも不自然な点が残ります。Sansは地底の国の住民を皆殺しにできる程度にEXPをため込んだ存在以外は素通ししているためです。モンスターには平和主義者が多いとはいえ、殺人どころか大量殺戮を行わない限り制裁を受けないシステムに意味はあるのでしょうか?おそらく審判は、地底の国が公に行っている事ではなく、Sans(と、もしかしたら一部関係者も)が個人の独断で行っているものであるのでしょう。
審判が作中のニンゲンだけに用意されているものでも、一般的な地底の国の住民の為に用意されているのでもないなら、審判でEXPを測定する役割はいったい誰の為に用意されたものなのでしょうか?
候補としては、地底にはPlayerが操作するニンゲン以外にも、他人を殺害することでEXPを溜めていて、なおかつ複数のニンゲンのソウルと接触出来る存在がいます。
それはとあるボスことAsgore Dreemurrです。
彼は地底に落ちてきたニンゲンを殺害し、ソウルを集めている存在です。もしかしたら過去の戦争にも参加していたかもしれない事がOPで示唆されています。 外敵の存在しない地底では、Asgoreは唯一EXPを測定する理由がある存在です。
ゲーム中では国を挙げて「ニンゲンのソウルを揃えた上で、Asgoreがそれらを取り込み神となってバリアを破壊する」という計画を行っていましたが、アズリエルがニンゲンのソウルを一つ取り込んだ際は、たった一つしか取り込んでいないソウルの影響を強く受けて行動不能となってしまい、ソウルレスとなったFloweyも、Nルートエンドでソウルに反逆され、力が制御できなくなるという結末を迎えていました。それを踏まえると、Asgoreが7つソウルを揃えた所でそのソウルを制御しきれるのかを考えると、可能性が低いのではないかと考えられます。
物凄く荒唐無稽な説である自覚はありますが、Sansが本来審判の間で裁くはずだった存在は、PlayerがAsgore戦でゲームオーバーになった後のAsgoreなのではないでしょうか。
そう考えるといくつか解決できる謎があります。道中でのニンゲンの殺戮を看過し、審判を抜けた場合にも私怨で手を出さない理由は、自分がもしもニンゲンに返り討ちにされた上で、Asgoreがニンゲンとの戦闘で勝利を収めた場合、Asgoreを止める存在が居なくなってしまうためです。実際にplayerの操作するニンゲンはSAVE&LOADの能力により、何度もやり直しができる存在であるとSansが知っている為、ニンゲンに手出しすることが危険であることは理解していたのでしょう。 また、審判を行う回廊は、王の待つ部屋と王国を繋ぐ境界にあります。それが、世界の脅威であるニンゲンから王を守るためではなく、王から地底世界の住民を守るためであるなら、審判を行う場所があの場でなくてはならない理由の一つになります。
おわりに
Sans周りは本当に分からないことが多く、国内国外問わず彼についての考察は多いだろうなと思っていたのですが、探し方が悪いのかあまり考察ページを見つけられなかったので、このあたりの考察について詳しくしているページがあればぜひ教えてください(この考察は大分トンデモな自覚があります…:D) (追記 リンクページに詳細まで考察されていた方の記事を追加しました!)
【UNDERTALE考察_Sans編その1】Sansの知っている事、Sansの知らない事
彼は何を知っていて何を知らないのか
※この記事はUNDERTALEのSansに関する記事となります。
UNDERTALEにおけるSansは、他のキャラが持たない不思議な能力を使用してPlayerの行く先々に現れ、時にPlayerしか知りえない情報に言及し、場合によってはUNDERTALEの世界の中で最強の敵として立ち塞がる存在です。
しかし全知のように見える彼にも、UNDERTALEの世界のなかにはいくつか彼の知らないであろう情報が存在しています。
Sansが知っている事
一応前提部分です(本題だけ読みたい人は読み飛ばして問題ありません)
時空間の乱れの観測(SAVE&LOAD能力についての知識)
時間の流れが止まったり戻ったりを繰り返す現象は、ゲーム開始前にはFloweyが使用していて、現在は我々Playerが使用しているSAVE&LOADの力の行使によって引き起こされているもので、Sansはそれを感知する手段を持っています。
Sansの戦闘中の発言は、このゲームの中でも特にメタが強く感じられる発言ですが、Sansがそれを「あくまで物語中のキャラクターとして、誰か協力者と共に観測した」と発言している部分は注目したい点です。
EXPやLOVEという概念の詳細と観測
審判の間において、EXP(EXecution Points)とLOVE(Level Of ViolencE)という用語への言及と観測が行われますが、この情報はPlayerがUIなどに観測できている部分以外ではFloweyとSansが語るのみとなります。
Undineの電話で「LOVE」という言葉が出ても特段特殊な反応は見せないため、「LOVE」という概念についてはあの世界では一般的に認知されていない情報であると考えてよいでしょう。
ショートカット能力の行使方法や、KRという特殊状態の付与
ショートカットは空間移動のような能力で、一瞬の暗転ののち別の空間に転移するような表現がとられます。(Sansとの戦闘時の画面の切り替わり方を見ると、他人だけを移動させる事も出来ることが伺えます。)
KRについては口から出たわけではありませんが、これも作中では彼特有の能力です。
LOVEが最大値にまで高まった存在が、複数のニンゲンのソウルを得ることで世界を崩壊させるだけの力を持つ(?)事(Gルートラストのような現象)
作中ではやや曖昧な表現でしたが、こういった現象が起きる事を知っていためにSansはGルートで審判の間でPCの前に立ち塞がっているものと思われます。おそらくSansの持つ「目的」の中で最も優先順位の高い「目的」です。
別世界の感知?(DR要素)
Sansの個人ラボのテキストや、fun値依存で変化する部分に関与してきている事などからの推察ですが、DELTARUNEに関連すると思しき要素が随所に見られます。(ここでは詳細は省略します)
前任の王国研究者であるGasterについて
Sansとの戦闘で使用してくる兵器のスプライト名から、おそらく何らかのかかわりはある…という考察は数多くあります。(ここでは詳細は省略します)
サンズが知らなかった事
感知できていた時空間の乱れが<誰によって>引き起こされていたか(Floweyの存在)
SansはPlayerがこのゲームを始める前から起きていた時空間の乱れを観測していましたが、それらがしんじつのラボの研究によって目覚めたFloweyによって引き起こされていたという事に気づいていません。(Gルート「おまえのしわざなんだろ?」の顔を見るに、ゲーム中Playerが操作しているキャラクター(以下、PCと表記)がすべての元凶と思い込んでいるようなそぶりを見せます)
SansはPCとのグリルビーズ食事イベント時の会話で「パピルスの言っていたしゃべる花はおそらくエコーフラワーによるイタズラ」という発言をしますが、
Sansがしんじつのラボで行われた研究を知っていたなら、逃げ出した器の研究対象に思い当って「おそらくエコーフラワー」などと話さずにもっと具体的な注意喚起をするでしょうし、それ以前に「約束が無ければはじめに会った段階でニンゲンを殺していた」と語る彼であるなら、パピルスから話が上がった段階でFloweyを始末、ないし警戒くらいはするはずです。 このことから、Floweyの存在そのものを知らない可能性が高いと推測されます。
ゲームが開始される以前、Floweyは何度もSAVE&LOADを行い、その繰り返しの中でSansと遭遇して散々な目にあったことを教えてくれますが、このゲームに続く最後のループでは全く接点を作っていない、つまりFloweyの一番初めの開始地点の段階で、Flowey自身がSansとかかわりを持つかどうか選べる状態であると考えれば猶更、Floweyの発生にはSansは関わっていないのではないでしょうか。
扉の向こうの女性(Toriel)の正体
Torielは過去、王妃として地下世界の執政に携わっていた時期があります。
王子とはじめのニンゲン(chara)達が健在のころは「Asgore王と人目をはばからずにイチャイチャしていた」と言われている通り、ある程度国民の前に姿を現していました。
TPのラストバトル前では声を聴いた段階で二人はそれぞれの判別を行っていましたが、その時の反応を素直に受け取るならSansがTorielの姿を見るのはTPラストバトル前が初めてである、つまりTorielが王妃であった頃(Asriel王子やはじめのニンゲン(chara)が健在だったころ)にSansはTorielの姿を見た事が無かったという事になります。
Sansがあまり王族、国政に興味がなかったか、或いはTorielが王妃だった頃にまだ生まれていなかったか、どちらにしてもこれによって分かることはSansが王命を発端とするしんじつのラボでの研究に関わっていたことは少し考えにくいという事です。立ち位置が研究所の末端であったり、途中から研究に参加した等なら可能性はありますが…
ニンゲンという存在(ゲーム中操作するキャラクター(PC))と実際に遭遇した事がない(G初見時)
こちらはGルートでPCと初めて会ったときに顕著な反応を示します(そして珍しくSansの心中がうかがえるテキストが拝めます。) 反応を素直に受け取るなら今までにニンゲンを見た事がないのであろう事が推測でき、ゲーム中操作するキャラクター(PC)と関わりが強いとされるはじめのニンゲン(chara)とも面識がなかったものと思われます。
Gルート後の世界崩壊後、再度世界の再生が出来るという事
彼の性格的に、また世界が再生される事を知っていたら、おそらくGルートでのSans戦は存在しないのではないかと思うので、知らないか不確定要素の為に信じていないのではないかと感じます。(が、やや根拠は薄いです)そもそもGルートのラストでcharaが世界を破壊していない説もあるようですが…。
まとめ
- Sansは王妃時代のToriel、存命中のはじめのニンゲン(chara)と面識がなく、Floweyの存在を知らない
- 以上から、Sansはしんじつのラボで行われた研究に関わっている可能性は低い
UT発売から数年たった今も謎の多いSansですが、彼が何を知っていて何を知らないのかを明確化することで、また新しくできる考察も増えそうだな、と思っています。
彼の行う審判の考察や、世界の作りやメタについての知識を何故彼が持っているのかについての考察、仮説は後日まとめて投稿したいと思います。
UNDERTALE&DELTARUNE考察に関する外部リンク
個人的に興味深かった考察ページへのリンクです。
UNDERTALE
外部ブログ記事リンク
世界観関連
Undertale(曲)の解読と考察
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生前のCharaの性格に関する考察【UNDERTALE】
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【考察】「Undertale」Charaはどこまで"悪人"なのか?
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メタトンとアズゴアとニンゲンと
https://twitter.com/wcapyw/status/1047318302849085441
アルフィー単独個人的考察
https://twitter.com/sunakane1220/status/1069243692957884422
試されるアンダインと試練としてのアルフィー
https://twitter.com/whos_calling/status/1041494051386585088
メタトンとソウルの向きについて
https://twitter.com/_kagehi_g/status/1047424566253969408
モンスターの歴史と文化【ジェンダー観について】 https://twitter.com/_kagehi_g/status/1035839105928585217
DELTARUNE
外部ブログ記事リンク
世界観関連
DELTARUNEの憂鬱(※UNDERTALEとDELTARUNEの意識の差異に関する記事)
https://mtt9000.hatenablog.com/entry/2018/11/01/225539
ラルセイ関連
ラルセイに関する考察(※ラルセイは何のダークナー?)
https://blog.goo.ne.jp/amashin1/e/f8d6152a0c1ad9aea62f556b2ddb118c
サンズ関連
DELTARUNEのサンズについて(※DRサンズとUTサンズの違い関連) https://torom.hatenablog.com/entry/2018/11/07/185735
興味深かった考察、解釈ツイートリンク
Δアンダインの犯罪待ち発言、管轄外のことへの無関心に関して
https://twitter.com/pls_callme/status/1060113645340774400
英文考察記事リンク
SANS IS A DARKNER HOLY SHIT(※サンズはダークナーじゃないか説) https://vanillogical.tumblr.com/post/179670403865/sans-is-a-darkner-holy-shit
Undertale and Deltarune are further connected(※三角の向きが逆さになっているデルタルーンがUTの審判の間にもあったという記事)
https://xelinielx.tumblr.com/post/180752768976/undertale-and-deltarune-are-further-connected
unused lines in japanese deltarune (※デルタルーンプログラム内、未使用の文書が日本語翻訳されている)
http://suzyundertale.tumblr.com/post/180604481547/unused-lines-in-japanese-deltarune
About that egg…(※"egg"を渡してくる男はナイト?)
https://someone-with-a-boring-username.tumblr.com/post/180650773048/about-that-egg